国や地方公共団体では、失業率の低下と非正規雇用の増加の対策として、雇用に対する助成金制度を設けており、その種類も多いので、従業員を雇う予定があるのなら、積極的に活用したい制度です。
助成金は、給付要件さえ満たせば受給できるお金で、返済の必要はありません。事業において人件費は大きな比率を占めるため、助成金による収入は無視できず、特に創業当初においては有効です。
国が管轄する雇用助成金には、新たに雇用する従業員に対しての助成金だけでも10種類以上あり、さらに都道府県や市区町村で行っている助成金もあります。国と地方公共団体の助成金が重複できるかどうかはケースバイケースです。
例えば、若年層に対するトライアル雇用奨励金は、ハローワーク等から紹介を受けた従業員を、技能や知識の習得を目的として3ヵ月間試行雇用し、最大で12万円が支給されるものです。それに対し、地方公共団体で上乗せとして支給する場合と、地方公共団体がトライアル雇用とは併用できない別の助成制度を用意して、若年層の雇用促進のため支給している場合があります。
助成金を頼りに従業員を雇用するときは、国と地方公共団体の両方の助成制度を理解し、最大の助成金を受けるための組み合わせを考えておきたいところです。
また、雇用助成金の特徴は、助成金の不正受給防止のため、雇い入れただけでは受けられず、一定の雇用期間によって受給が発生する点です。ただし、雇用というのは計画通りに進まないことも多く、必ずしも希望の年齢層や経験値を持った人材が集まるというわけでもないため、複数の助成金を考慮に入れ、事前申請が必要な雇用助成金については、忘れないようにしましょう。